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書 評 課 題 (第1回) | |||||
辻大介ゼミ6期 | |||||
香山リカ 著 「若者の法則」を読んだ若者の書評「元若者」である著者は、「いまどきの若者について考えることは、だれにとっても自分についてもう一度考えなおすことにもなるはず」と述べている。 本書は、一見理解不能とも思える若者の言動を分析し、「若者の法則」としてまとめたものである。
著者は「若者の法則」を大きく6つに分類し、話を展開している。その6つとは、 著者の言う「若者」というのは、以下のような人たちのことである。(気になったところ[←*1]を抜粋) 自分の性格を変えたくて、泣かなければ自分が何者かわからなくなってしまうが、 本書の評価できる点は、精神科医、大学助教授といった著者の職業柄、若者とふれあう機会が多いため、内容にリアリティがあることだ。そして様々なカテゴリーから[?*2]、読者に持論をわかりやすく説明している。 しかし、本書は論理的というよりも、かなり主観や印象 今まで若者論に関する書籍を少しばかり読んできたが、この本にはあまり感銘を受けなかったというのがホンネだ。なぜなら、確固たるデータが全くといっていいほど無いからである。本書中に出てくるデータらしきものといえば、 数多くの視点から若者を捉えているにも関わらず、その若者の対象が著者の周りの人物に限られすぎているため、世界が狭い。そのような点もあり、納得しきれない。 本書は、「既存の若者論」を壊そうと努力しているように見受けられる。それと同時に、持論で若者を型にはめようとしているようにも見受けられる。しかしインパクトは薄い。持論展開後の語尾に力がないからである。 そして、目次で疑問に思った点がある。 矛盾してはいないだろうか? 2章の「食事」でランチメイト症候群を例に出し、「若者はだれかとつながっていたい」としながら、4章の「飲み会」では、「ルールは他人に干渉しないことである」としている。 矛盾しているところも「若者らしさ」なのだろうか? 若者の私にもよくわからない。 本書を読む大人に対して一言。ここに出てくる若者像が、若者の全てと思わないでほしい。「こういう若者もいる」といったような、軽い感じで読んでみてはいかがだろうか。 2005/05/20 *1:この1文は長すぎ。適当なところで2〜3文に区切る。 [ comment ] |
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